【極短】キミにくぎ付け♪
恋に落ちる
オレは散乱した荷物を鞄の中に入れると、階段を一段抜かしで昇り、彼女の元へと向かった。
「はい、コレ……」
鞄を差し出す。
だけどそれは、彼女の手に渡る前にオレの腕からスルリと抜け落ちた。
――ドサッ
「……っ!!」
例えて言うなら……
オレの身体を電流が一気に突き抜けた……
そんな感じ。
オレの声にやっと顔を上げた彼女の瞳はうるうるで。
その涙を見た瞬間、オレは言葉を失った。
かっ……可愛い……。