Your smile once again
〈side洸〉


「……ったく」


俺は、走り去る佐々木の後ろ姿を見ながら呟いた。


「ビックリした」


葵が急に言った。

葵の存在を忘れていた俺は、ギョッとする。

バスケでもそうだが、コイツはたまに気配が消える。


冷静を装って聞き返した。

「なにがだ?」
「二人って、こんなに仲良いんだなって思って」


あぁー、俺は唸って頭をかいた。


佐々木曰く、俺が頭をかくときは照れてるときと、焦っているときらしい。

今はどっちだろう?



「なんつーか、妹的な?」


これ言ったら、アイツ怒るだろうな。
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