Your smile once again
「……笹原……」


俺の中の堤防が決壊しそうになった。


顔が赤くなり、自然と頬が緩む。

「バーカ」

口元に手をやり、頬杖をつく。

「良かった、いた」

佐々木が微笑んだ。寝たまま。

俺は頭をガシガシとかいた。

恥ずかしさと嬉しさで、いっぱいになった。


ほんと、佐々木は無防備だ!

「調子狂う……っ!」

思わず呟いた。

俺は佐々木の顔に目線を落とす。
もう、うなされてはいない。夢の中に俺が来たのだろうか?
彼女の夢の結末はどうなったんだろう。



俺は佐々木の頬に手を伸ばした。

佐々木に、触れたいと思った。


少しでも佐々木に近づきたかった。
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