Your smile once again
「……笹原?なんで隣に?」


佐々木はヒソヒソ声で言った。

キョトンとした表情で、俺の顔を覗き込んでくる。


俺は思わず顔を背けた。


今自分が考えていたことが、ひどく小さく、下らないことに感じられた。


「いーから、まだ寝とけ」

俺も小さな声で答えた。


俺は窓の外を見るふりをしながら、佐々木の頭を遠ざけた。


「笹原、痛いって」

不機嫌な声を出して、俺に訴える。


「離してよ」
「嫌だ」
「ちょっとっ」



「今、ほっといてくんない?」
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