Your smile once again
そういや、心開いてくれるまで大分かかったっけ。


「笹原は、何を言っても黙らなかった。

 だから私も黙らない。

どこにも行かないよ」


俺は繋がれた左手を指を絡めて握り返した。


すごく弱気になった。

佐々木の手のひらは、暖かかった。


「このままでいていい?」
「うん」


右手で、目を塞ぐ。

涙を必死でこらえる。


俺は、初めて曖昧だった気持ちを確信した。
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