Your smile once again
ー 昼休み ー

「こっとなー♪

 昼飯一緒に食おー!」

悠季が、教室に入ってくる。



悠季はちょくちょく二組に来ては、ベラベラと一人で喋って帰っていく。

「卵焼きくれー」
「やだ。ていうか、自分のはどうしたの」
「今日、寮弁無いんだ。購買行ったら何もなかった」


相変わらず、アホだ。

「悠季、これ食べる?また、作ったんだけど……」


萌が遠慮がちに声をかける。


悠季が人懐っこく笑って、受け取った。


「サンキュー!」

悠季の寮弁がない日は、こうして萌がお弁当を持ってくるようになった。

最初はひどいものだった。

卵焼きはしょっぱい。

ウィンナーは油まみれ。

並べ方はがさつ。

今とは比べ物にならなかった。


それでも悠季はおいしい、といいながら嬉しそうに食べた。

以外と、優しいやつだ。

いい雰囲気だと思う。
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