Your smile once again
「覚悟、あるか?」


その言葉に首をかしげる。

“覚悟”


重みのある、言葉。

「覚悟?」

俺が聞き返すと、戸部先生は俺を指差す。

「こいつの過去を受け止められる覚悟だ。

……それがあるなら、話してもいい」


佐々木の過去を、受け止める覚悟……。

俺はためらった。

もし、俺が俺の知らないところで昔の話をされたら、俺はきっと嫌な気分になる。
佐々木も、同じだろう。

それに、俺はまだ”覚悟“ができていない気がする。

俺は首を横に振った。

「いや、いいっす。

いつか、佐々木が話してくれるのを待ちたいです」


「じゃあ、いつか琴那がお前に打ち明けてもお前は……。

お前は琴那から離れないでいてくれるか?」


「はい……!」


決めたんだ。




もう俺は逃げない。
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