Your smile once again
〈side 琴那〉

夜。

お風呂とご飯を済ませた私たちは、近くでやっているお祭りに来ていた。


もちろん、旅館の着物姿で。



「ね、俺たちと遊ばない?」


ベンチに座っていると、少し年上ぐらいの男四人が声をかけてきた。


「……結構です」


大抵の男は、これだけ言うと消える。


だが、今日はしつこい。

「いいじゃーん、一人なんでしょ?」

「……」

「ねーねー」

うるさいなぁ。

私は顔をしかめた。

たいして格好良くもないのに。


その時、笹原が向かってくるのが見えた。

私は、気づいたら動いていた。

「洸っ!もう、遅かったじゃん。待ってたのにぃ!」


わざと声を高くし甘えた声を出した。

笹原の隣に寄り添い、腕を絡めて、その先で指も絡めた。
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