Your smile once again
「さささささ、佐々木っ!?」

笹原が、私でも驚くほど動揺した。


私は足を軽く踏みつけ黙らせた。

「ね、早くあっち行こぉ……?」


私は、洸……じゃなくて、
笹原を上目遣いで見ながら、人気の無い境内を指差した。

「チッ、彼氏持ちかよ」


「しらけたーーー」

何やらぶつぶつ言いながら、男たちが離れていく。

私はそんな姿を見送っていた。

「佐々木?ナンパされたのか?」

笹原が、心配そうに私の顔を覗き込んでくる。


その姿がおかしくてつい、笑ってしまう。

「うん、やっぱお面被れば良かった」

「お面?」

「ナンパ避け」
< 153 / 366 >

この作品をシェア

pagetop