Your smile once again
そうか、と納得する笹原。


「皆は?」とたずねると、笹原は黙って首を振る。


「花火するとか言ってたし、公園かな?
 
 行こ」

「さ、佐々木……、手」


笹原に言われて下を見る。


腕は絡んでいないが、

指がいわゆる恋人繋ぎしている。

「……っ!?ごっ、ごめんっ!!」


慌てて手をほどこうとしたが、離れない。


笹原を見上げると、こっちを見ていなかった。


「……ささは、」

「は、ぐれたら!はぐれたらまずいから。そんだけ!!!!」


「あ、う、うん」

しっかり繋がれた右手が熱い。


私はなんだか切なくなって、強く握り返す。
< 154 / 366 >

この作品をシェア

pagetop