Your smile once again
「じゃあ……、俺も怖い?」


気づけば、人気の無い公園で。

笹原がゆっくり振り返って私を見つめてくる。

目をそらすことができなかった。

「そ、そういう意味じゃなくて……っ!

も、よく分かんないよ……」


どうして。

皆と同じようにできないの。

皆が、普通に持っているものがどうして私にはこんなに遠いの。


泣きそうだった。

私の感情の回路は、あの日壊れたと思っていた。

「私はっ……たまに"人"が分かんなくなる。

何を考えているのか。そういうとき、私は怖くなるの。

笹原も同じ。」

本当はそれだけじゃなくて……。

私の、ただのわがままなの。

自己満足なの。

ねぇ、笹原。

あなたは私がどんな人間か知ってる?

知らないでしょう。

私は誰よりも卑怯で、臆病だ。

私は……、私は……。
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