Your smile once again
「……ふ、ぅ……」


言葉にならなくて、嗚咽か漏れる。


もどかしさに涙が溢れた。

「佐々木っ!」

「……ごめ、なんでもないっ……」

「泣かせるつもりじゃ……」

「泣いてないよ……」


頭がごちゃごちゃ。


考えるのもめんどくさい。


笹原は黙って、そこにいた。


私や泣き止むまでずっと、そこにいた。



右手は、繋いでいて。


涙で見えなかったけど、


笹原は、確かに私のとなりにいたんだ。
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