Your smile once again
〈side 葵〉

「おー。二人とも来たかー!」


冬哉が佐々木と洸に言い、花火を持ち上げた。


「じゃあ、始めよっか!」

萩原が言い、思い思いに火をつけ始める。

「あははっ!綺麗だね!」
「ひゃっほーっ!」

火花が、夜の闇に消えて行く。


ふと、佐々木を探すと俺達とは離れた場所で花火を眺めていた。

「あ……」

俺は、駆け寄ろうとしたが、できなかった。

すごく、寂しそうな彼女の横顔を見ているだけで胸が一杯だった。


「……洸」
「ん?」
「佐々木と何かあった……?」


サッと、洸が視線を伏せる。
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