Your smile once again
女の人が話しかけてきた。

お店の人だと思う。


「……星の砂……」


「砂って言っても砂じゃないんですよ。

『有孔虫』という生物が死んで残した石灰質の殻なんです。

幸せになれるって言われてますよ!!」


死んだ生物が残したのに、幸せになれるのか。

死んでも幸せってことかな。


「どうですか?」

「えと、じゃあ買います」

「はい!!じゃあ、お包みしますね」


女の人に軽く会釈して、また商品を眺め始めた。

「お。佐々木、ここにいたんだ」


笹原が濡れた髪を、かきあげながらこっちへ向かってきた。
< 162 / 366 >

この作品をシェア

pagetop