Your smile once again
「さーさーきー」



海に入って数分たった。

佐々木は俺にしがみついて、顔をあげない。


「うぅ……」

何やら呻いている。


「そろそろ離れよ?」
「無理無理ぃ!!わぁっ!動かないでよ!!」


珍しく怯える佐々木面白くて、俺はさらに深いところに行く。



「あぁっ!!足がついてない!!」


「大丈夫だって」
「ちょっ、これ以上!!無理だってば!!」


佐々木はついに俺の首に手を回してきた。


色んなとこが密着してるんだが。

「深いぃいぃいいぃ!!」

「まじで、一回離れて。

……精神的にヤバイから。あと、肉体的にも」


佐々木は、恐る恐るといった感じで俺から手を離した。


「力抜いて」
「うわあぁあっ!!無理無理無理!!
 笹原のバカぁあああああ!!!!!」

佐々木の悲鳴がこだました。
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