Your smile once again
「うぅ……、ひどすぎる……」


佐々木は砂浜でタオルをがぶって、涙目で震えていた。

その姿が普段の佐々木からは想像できなくて、笑ってしまう。

「ちょっ……、琴那可愛すぎ!くっ、あははっ!!」

相澤が笑いだし、その輪は広がっていく。

柊真は、腹を抱えて大爆笑していた。
「笹原のバカ……。アホ!ドジ間抜け!!オタンコナス!!ヘタレ!!社会壊滅的にできないくせに」
そう言い、拗ねたようにそっぽ向いた。

俺はそんな佐々木の頭をポンポン、と叩く。

「んー。最後の二つぐらい、本気で傷つくからやめよ?」

「プールは平気だけど海はだめなの……。揺れるし……」

「俺が教えてやるから。な?」

「泳げるもん。ただ、波が嫌なの!!
死んだら恨むから」
「死なないから」


葵が笑いをこらえながら、佐々木に歩み寄る。

「俺でよかったら手伝うよ?」
「お前はダメだぁ!!」

俺は葵の頭をはたいた。
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