Your smile once again
葵の事が好きで、って素直に言えなかった。

そういえば、失恋したんだ。


それでも、私は葵が好きなの?


「気持ちの整理、ついてないのは分かってる。今じゃなくていいからさ。ちゃんと考えて、俺のこと」


「う、ん」


「じゃ、俺もう寝る!!香澄も、

早く寝ろよ。おやすみ。


あと、もう泣くなよ」


照れてるのか、私の顔を見ないで言った。

最後まで優しいんだから……。


「冬哉っ」

立ち上がった私は、冬哉の後ろ姿に言った。


「あのねっ、うまく言えないけど……、私ね、葵の事が好きって思ったとき、すごく嬉しくなる。ああ、私恋してるんだって。今、は分からないけど……。



冬哉も同じなの?冬哉も、嬉しく、なる?」


何言ってるのか、自分でもよく分からなかった。


だけど冬哉が



「うん」



って笑ってくれたからいいかな。
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