Your smile once again
〈side 怜音〉


電車では皆疲れきって、一言もしゃべらなかった。


すっごい楽しかったなぁ。


色々合ったけど、成長できたって感じ!!


「ばいばーい」

琴那と笹原が降りていく。

観光しながら帰ってきたから、もう、すっかり夜だった。

降りる順番でいくと、琴那と笹原、香澄と冬哉と葵、そして私。

……あれ?斉藤は?


「怜音、気を付けて帰ってよ!?」


お母さんみたいな口調で言い残して、香澄は降りた。


「……斉藤?」
「なんだよ」


斉藤が不機嫌そうに足を組んで、私をにらむ。



「どこで降りるの?」



私の質問に、斉藤はボソリと答える。

その駅は、琴那たちが降りる駅より向こう側だった。



「えぇえっ!?なんで降りないのっ?」


「お前アホ?こんな時間に女一人とかあぶねぇだろ。ま、お前みたいなやつ女って見るやついないだろうけど」


「しっ、失礼な!!

……じゃなくてホントにいいよ。


その通りで怜音、誘拐とかされないもん」


私は慌ててそういった。
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