Your smile once again
〈side 琴那〉

「やっぱ落ち着くわー」

私はため息混じりにそう言った。

夜。

あたりはもう真っ暗だ。

「あのなぁ……」

この部屋の主である、大翔がコップを片手にあきれた声を出す。
普段していない眼鏡をかけていて、妙に大人だ。
まぁ、大人なんだけど。


フカフカのソファーが気持ちよくて私は寝転んだ。
傍らにあった、変なキャラクターの抱き枕を、抱き締める。

「これ、なんのキャラ?」

「しらない。……もう、帰れよ。おばさん、心配するだろ?」


「やだ。おばあちゃんにはちゃんと言ってきたもん」
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