Your smile once again
笹原が、諭すように言った。

笹原が誰にでも優しいのは、前から知ってる。

知ってたはずだ。


それなのに、あんな子にまで優しくする必要ない、と考えてしまうんだ。

私はひねくれてる。


それにーーー。


「佐々木?」


私は、いつの間にかうつむいていた。ハッとわれにかえる。


「……つ……」


口が、勝手に動いた。



「付き合ってあげれば良いじゃない。そしたらあの子は満足するんだしっ。
ハッキリさせてあげなよ」

言ってしまったあとで、私は口を押さえた。

何言ってるんだ、私。

慌てて謝ろうとして、笹原を見上げる。


「本気で言ってんのか?」


笹原の声が今まで聞いたことない声になった。悲しそうな、怒ったような声。


「……お似合いだよ」

そんな声を聞いたら、どうしようもなくて、心にも無いことを口走る。
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