Your smile once again
私は、たまに大翔のアパートに来る。


お目当ては大翔特製のホットミルク。

大翔が入れてくれるホットミルクは、蜂蜜が入っていて、すごく美味しい。



自分で作ろうとしてもできない。

大翔の加減があるのだ。


「前にも言ったけど、俺たち一応同じ学校の教師と生徒だろ」

「別によくない?
何か言われたら私の過去言えばいいじゃん。
そしたら同情してくれるよ」

「琴那」

大翔の声に何も言えなくなる。

彼は私の過去を知っている。


まぁ、家が隣なら当然だが。


ふと、ドアの方に目をやると洗面所が見えた。

私はその瞬間、大翔が歓迎してくれない訳がわかった。


「大翔……、彼女できたでしょー」

私は大翔に向けてニヤリと笑って見せた。その言葉に大翔は分かりやすく動揺する。


「なっ……!」


「だって、歯ブラシあるし、コップあるし。こんな変なキャラクターの抱き枕なんて大翔、買わないでしょ」

私が突きつけると、大翔は観念したように、肩を落とした。

「……んだよ、バレたか」

「やっぱー?どんな人?」


私が訪ねると、大翔は照れたように笑う。


「一個下。薬剤師。おっとり系かな」


素直に答えてくれる。


大翔は、現在25歳。
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