Your smile once again
「まあ、何はともあれ元気そうで良かったよ。琴那」

海翔の声に私は苦笑した。


あの頃の私は、今とは比べものにならないほどひどかった。

「髪、伸ばしてるんだな……」

海翔が、私の髪の毛に触れる。

そして、ハッとしたように手を離した。

「ご、ごめんっ!」
「海翔?」


私は驚いて、そう言った。

さっきから、笹原はずっと黙っている。


「ははっ、彼氏の前でこんな事しちゃだめだな!」
< 220 / 366 >

この作品をシェア

pagetop