Your smile once again
〈side洸〉

「「……」」

佐々木が席を立ってしばらく喋らなかった俺たち。


「付き合ってないの?」


海翔……さんにそう尋ねられた。


「はい」

俺は一刻も早くそうしたいのだが。

なんて変なことを考えてしまった。

さっきから、イライラが収まらない。

理由くらい分かる。


佐々木と、彼の仲に妬いてるんだ……。


情けねぇ、俺。


「でも、笹原は琴那が好きだろ?」


突然の言葉に、椅子から転げ落ちそうになった。


「なっ……んでっ!」
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