Your smile once again
「……あ……」

笹原と、目が合う。
その途端、笹原はニカッと人懐こい笑顔を見せた。
そして、何か伝えようと口を開いた。

「佐々木ちゃん」

その時、遠藤先輩に話しかけられ、私は笹原から視線を移した。


「なんですか?」

「あのさ-----」


その時、グイッと腕を引かれた。
そのせいで、私の体はよろけ、一歩下がる。

倒れそうになる肩を、誰かが支えた。

「笹原?」

笹原だ。

「……ちょっと佐々木借ります」

笹原が遠藤先輩に言った。

その声には敵意が込められているように思えた。


「借りるってことは、返してくれるの?」

遠藤先輩が言った。

どういう意味だろう?
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