Your smile once again
「……」

笹原は答えなかった。ただ黙って私を引っ張っていく。

「笹原?」

呼びかけても、返事がない。


されるがまま、連れて来られたのは体育倉庫の裏。


「笹原ー?」

笹原が立ち止まる。そして振り向いた。

「佐々木っ‼︎」
「は、はい」

突然大声を出す笹原。


「あの人には気をつけろ!」


「あの人って……遠藤先輩?」

「そう。なんか危ない!絶対二人っきりはダメだ!わかったな⁉︎」

笹原が私に詰め寄る。

私は勢いに押されて。一歩下がった。

トン、と背中が壁にくっついた。


「え、えと……」
「わかった?」
「あ、はい……」
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