Your smile once again
笹原が口を開きかけた。


「80m走にでる選手は集合してください」


その時だった。

笹原はその放送に耳を傾けた。


「出るの?」

「あぁ。行くわ」

「……がんばれ」

私が言うと、笹原は

「さんきゅ」

と、淋しそうに笑って言った。


そして私の頭をくしゃくしゃっと撫でると、グランドへ歩いて行った。


「はぁ……っ」


私は髪の毛をかき上げながら、その場にズルズルと座り込んだ。


「……ばか」

私は腕に顔を預けた。






-----この気持ちは何?
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