Your smile once again
唇が、重なった……。


「……っん」


状況が理解出来なくて、目を見開いた。

日向に、キスされてる。



そう理解した瞬間、私は彼の胸を強く押した。

日向が離れる。


言葉が出なかった。



戸惑いしかない。


「う、うわぁぁっ!?」


声をあげたのは、私ではなかった。



「ごごっ、ごめんっ‼︎


えっ、俺なにやってんだろ!?」


「ひ、日向」



「ごめん!!そんな顔見てたらなんか勝手に体が……。

ってこんなの言い訳にならねぇよっ!」


私は焦る日向を見て、素直に笑ってしまった。

「あははっ!」
「えっ、うわぁ、俺その顔弱いわ」
「何それ」


私はクスクス笑った。

なんていうか、日向って、バカだなぁ。


『男子棒倒しが始まります。男子生徒は準備してください』

放送が入った。


「やべ、行かないと!ゆっくり休めよ‼︎」


日向は一言言い残して、風のように去って行った。

「ふぅ……」

私は再び、ソファに体を預けることにした。
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