Your smile once again
「あれ?」

目を覚ましたわたしは一人で首を傾げた。
なんで、ここに笹原がいるんだ……。

「……笹原?」

声をかけても、笹原は椅子に座ったままピクリともしない。

寝ているようだ。



「80m走。二年、一位、笹原洸。


笹原洸!出てきなさい!笹原!」


校庭から先生が笹原を呼んでいる。


相変わらず、バカなやつだ。


「笹原……」


私は笹原の寝顔を見つめた。


「ばか、来るの遅いってば」

体育祭、随分頑張ったようだ。

少し疲れたような顔をしている。


「……お疲れ様」


一人でつぶやいた。


「……っ、き、つか……」


きつか?笹原はうなされながらそう言った。


きつか、なんて単語はあまり聞いたことがない。


名前でもないだろうし……。


なんのことだろう?


「笹原、笹原!」
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