Your smile once again
私は彼が可哀想に見えてきて、ゆすり起こそうとした。

なかなか起きない笹原。


本当に疲れているようだ。


「っ、佐々木‼︎」

ガバッと飛び起きて、私の肩を強い力で掴んで来た。


「はっ、はい」

私は笹原の突然の行動に押されて、キョトンとした。


「具合、悪かったんだろ?大丈夫かっ⁉︎」
「う、うん」
「本当か⁉︎」
「う、うん」


再確認までしてくる。


外は夕暮れ空で、閉会式も終わった様子。


「帰るか。今日は家まで送ってく」
「いっ、いいよっ!」
「だめだ。ほら、いくぞ」


カバンを渡してくる彼。

私は仕方なく受けとり、笹原の顔を見上げた。


きゅうって、胸が苦しくなった。


発作……じゃないよね?



私は笹原から目を反らせなかった。



笹原は、やっといつもみたいに笑ってくれた。
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