Your smile once again
一通り値段を確かめ終えた俺は、ペンキ売り場で佐々木を見つけた。

佐々木はなんだか、最近少し変だ。

いつも考え事をしているように見える。


「佐々木。終わったぞ」

俺は声をかけたが、佐々木はなにやらしゃがみこんでペンキを熱心に眺めていた。

「佐々木?」

俺は歩み寄って、佐々木の肩に触れた。


「ああ、ごめん気づかなかった」

佐々木は言いながら、振り向く。


あ、思いの外顔が近い。

「うわぁっ!」


佐々木は驚いたように飛びのいた。


顔が真っ赤だ。


そして、先を歩き始めた。


どうやら、終わっていたらしい。


突然振り返り、俺を指差して


「抹茶フラペチーノ‼︎」


と叫ぶ。


-----やっぱり変だ。


俺は首を傾げた。
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