Your smile once again
〈side 琴那〉

私は約束の抹茶フラペチーノをおごってもらって大満足だった。

抹茶フラペチーノは私のこの世で一番好きな食べ物だ。


冷たいカップを手に持って、ホームセンターを出た。


財布を眺める笹原は軽く無視しよう。


「何ニヤニヤしてるの。

言っとくけど、文化祭終わったらもう一個だかんね!」


私は笹原を横目でみながら尋ねた。


「いや、なんか面白くて。

はいはい、わかってるって」

笹原はケタケタと笑った。


「普段笑わない佐々木が、それ飲んでる時だけ本当に幸せそうな顔してんだもん」


私はからかわれたことが恥ずかしくて、顔を背けた。

チラリと笹原を見ると、笹原は笑顔を見せた。


……そういう、笹原だって幸せそうな顔してるのに。


なんかいいことでもあったのかな。


「佐々木のその顔みてるとなんか和む」


笹原また笑う。


私も何か言おうと、口を開いたけど、何も出て来なかったので口を閉じた。


ある公園の、ゴミ箱にカップを捨てた。


足に、何かが当たって来た。

下を見ると、バスケットボールだった。


この公園は、ゴールがあるらしい。

フェンスに囲まれたスペースが、砂ではなかった。
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