Your smile once again
「すいませーんっ!とってください!」


小学生くらいだろうか。

男の子たち数人が、バスケっぽい服を来て立っていた。


笹原がすかさず、拾い上げ、その場で鮮やかなドリブルを披露した。


よくわからないが、よほど上手なのだろう。

子供達は、ポカンと口を開けていた。


「すげえっ!!
かっけえ!!

兄ちゃん、一緒にやろうよ!」


笹原が腕を引かれる。

笹原はえっ、と困ったように私をみた。

「いいよ。待ってるから」

私は頷いた。


「一対三ね‼︎」
「えー。まじかよ」
「兄ちゃん、高校生でしょ!大人気ないよ!」


私は近くのベンチに座って、その微笑ましい光景を眺めていた。


辺りはすっかり夕方だった。


30分くらいたっただろうか。

笹原も小学生も、汗だくだった。


小学生は、帰らなきゃいけない時間らしくお別れの握手を交わしていた。


「お、おいっ、声かけてみろよ」
「嫌だよっ!お前がしろよ」


後ろから、声がした。そちらに目線を向けた。

西下濱高校の制服を着た男子四人組だった。

東高濱の、兄弟校だ。
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