Your smile once again
「綾瀬さん」

私は、放課後文化祭の準備に追われている綾瀬さんに声をかけた。

「あっ、佐々木さん。
昨日はありがとうね」
「うん。これ、メモした紙」

手帳を手渡すと、彼女はそれを食い入るように見つめてそのまま動かなくなった。

「佐々木ー、今日は仕事ねぇのー?」

後ろから笹原が言ってきた。

うわっ。

怜音がさっき変なこと言うから……。

意識してしまう。

「今、綾瀬さんに確認してもらってるよ」

私は普通に返せるように務めた。

「どーしよう……」
と、唐突に綾瀬さんが言った。

私が何か言うよりも早く、笹原が綾瀬さんに問いかけた。

「どーした?」


「思ったより色々高くて……、予算合うかな……。

笹原、ちょっと見てくれる?

予算、こっちね」
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