Your smile once again
綾瀬さんと笹原の間でやり取りが繰り広げられる。

私はそれを眺めていた。

笹原は一瞬だけ手帳と睨めっこしたが、すぐに私に差し出してきた。


「こーいうの、佐々木の方が得意だろ」

どうやら、ペンキが高すぎるらしい。

あとは、皿とかコップ。


「……この、テーブルに塗る用のペンキは無しでもいいんじゃないかな」


「え?」


「ペンキを塗るより、安い布でデーブルクロスを作った方が収まるし。

メートル単位で安く売ってるしね。

あと、紙コップとかは買わなくても大丈夫かな。

家からかけちゃったコップとかお皿とかを持ち寄ってもらって、それをリメイクしても可愛いと思うよ。

衣装用の布も、できる限り家から持ってきて買う量を減らせば大分余裕が出るよ」

いい終えた私は、手帳から顔を上げた。

綾瀬さんと、笹原がポカンと私を見ている。
気がつけば皆がこちらに注目していた。

「……えっ」


私は何か変なことをいったかな、と心配になった。

「すごいっ‼︎」

綾瀬さんがパッと笑顔を見せた。


「そうすればかなり余裕が出るね‼︎
ありがとう、佐々木さん。
今から見直しするからちょっとまってて」


綾瀬さんは机に向かって何かを書き始める。


「さすが佐々木」

笹原が私を見てにやりとした。

私は肩をすくめた。
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