Your smile once again
「腫れてるなー。軽い捻挫かな」
「だっ、大丈夫だよっ!こんなのよくあることだし、しばらくしたら治----- 」
「ダメだ。今日は安静にしてろ」

笹原は湖春に言う。

彼女は俯いた。

笹原は湖春の頭を軽く叩いた。

いつも笹原が私にやることだ。

湖春が笹原を見上げて不服そうだ。


そんな湖春をよそに、笹原は買い物袋を見つめた。

「買い物どうすっかな」
「ほんとごめんっっ!」
「気にすんなって」


嗚呼、ここにいたら……。

私……。

なんだか変になりそうだ。


「わっ、私っ!」

自分でも驚くほど変な声がでた。


「私が、行って、くるから。

二人は……ここで待ってていいよ」


私は身を翻して小走りでその場を離れた。
< 290 / 366 >

この作品をシェア

pagetop