Your smile once again
〈side 洸〉


俺は横を歩く綾瀬に気づかれない様に、ため息をついた。

綾瀬はずっと喋り続けている。

俺は毎度毎度、適当に返事を返していた。


俺は、佐々木と一緒に行きたかったのに。

佐々木は……最近俺を避けている様な気がする。


「……やっぱ、怒ってる?」


俺の耳にそんな質問が飛び込んだ。


「え……」

話の流れが理解できない俺は、首を傾げた。

「琴那と、行きたかったよね?」

「別に俺は……」


反射的に否定してしまう自分に、俺はうんざりした。

こんなにも、彼女の事を気にしているくせに何言ってるんだ、俺。


「そっか!なら良かったー!ってか最近
琴那さ、亮平といい感じだよね」

嘉島と、佐々木?
どういう意味だろう。

「この前は亮平から琴那に話しかけてたし、もしかしたら琴那のこと好きなのかな?」
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