Your smile once again
文化祭一日目は、一般公開はされず、開会式や、三年生のみの合唱コンクールが行われた。


そして、二日目。

"接客はしない"そう言い切った私に与えられた仕事。

それは、客引きだった。

アリスの服をきて、校内を回ったり、教室の前に立ったり……。

楽なのか、面倒なのか、わからない仕事だ。

「じゃ、取りあえず講堂とか昇降口らへんてこれ持って立っててっ!」


クラスメイトに渡されたのは、何個か作った小さな看板だった。

「わかりました……」

私は肩を落として看板をうけとる。そんな私を見て、彼女は励ますように付け加えた。


「大丈夫、大丈夫っ‼︎ちゃんとボディガードがいるからさ!」
「ボディガード?」


きょとんとする私の背中をトン、と押す。

私は前につんのめった。


「わっ」


倒れた。でも、倒れなかった。肩を支えられていたから。
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