Your smile once again
「気持ち悪かった……」


更衣室で制服に着替えた私は深いため息をつく。


やっぱり、私にはあんな服は合わない。

普通が一番。うん。そうだ。

笹原と宣伝したおかげで、2年2組は大盛況だった。


さてと、これからどうしようか。


なんて考えながら、ドアを開ける。

「……あ」

思わず声をあげた。


ちょうど、隣の更衣室から出てきた笹原と鉢合わせした。

「あー……」


がしがしと頭をかく、笹原。


私は目線を落として俯いた。


「この後、予定あんの?」


ふるふる、私は首を横に振った。


バクバクバク。心臓がうるさい。


「折角だから一緒に回る……か?」


私は迷わず頷いていた。

「……じゃあ行こーぜ」

笹原はそう言って歩き出した。

私はそんな笹原の後ろ姿に、嬉しくなってしまった。


「とりあえず腹減ったなぁ。

なんか食う?佐々木」
笹原の少し後ろをいた私を振り返って笹原は言った。

「えっ、あ、うん。お腹すいたね」
「だなー。外の屋台でも行く?」
「うん」
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