Your smile once again
気づいてなかったわけじゃないんだ。


俺に好意を持っていてくれたことくらい、わかっていた。


「はぁ……っ、はぁ……っ」



綾瀬、ごめん。


だけど、大事な人を想う気持ちは、俺だって同じだ。



佐々木の、

笑わないとこも、

たまに見せる笑顔も、

無愛想な態度も、

素直じゃないとこも、

可愛げがないとこも、全部。


そんな佐々木『だから』俺は、佐々木が好きなんだ。


俺は、佐々木以外考えられない。


冷たい風が、ほおをかすめて行く。



向かう場所はただ一つ。


あの場所へ-----。
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