Your smile once again
〈side 琴那〉


誰もいない、図書室。

本校舎から一番離れたC棟。
その校舎の一番端っこ。
私が、学校の中で一番好きな場所。

……私と、笹原が出会った場所でもある。

埃の匂いが私を包む。

「はぁ」

壁に寄りかかって、窓の外を眺める。

笹原と、湖春は何を話していたんだろ。あの後どうしたんだろ。

「考えてもわかんないや」

一人で呟くと虚しい気分に襲われた。


ガラッ。突然、ドアを開ける音がして私は驚いて方を揺らした。


「佐々木っ!やっぱり、ここにいた」

その声に私はドアの方を振り返る。

「笹原……」
「ごめん、はぐれて」

焦ったように弁解する笹原。


「湖春は?」


そんな笹原になんだかイライラしてしまって、声が凍ったのが自分でもわかった。

「綾瀬が、何?」

笹原が怪訝そうに聞き返してくる。

「……わざわざこっちに来なくてもっ、湖春といて良かったのに。」


……なんだ私。



これじゃまるで……。
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