Your smile once again
恐る恐る、笹原の表情を伺うと、笹原は驚いたような顔をしていた。

「ささっ、」
「うわぁっ、今の嘘!わ、忘れて!」

急に恥ずかしくなって来て、あたふたと顔の前で手を振った。

笹原が黙ってしまったので、空気はぴんと張り詰める。

「佐々木」

笹原が私にゆっくり、近づいてくる。

私は後ずさりすらできず、その場に固まってしまう。

「佐々木は……俺のこと、嫌い?」


私の目の前まで来た笹原が、そう言う。


「そっ、そんなわけない‼︎」


反射的に、即答してしまう私。

はっと、我に返り口を抑える。

「……じゃあ……、好き?」
「え……」


好きって。

好きって。


どういう……。


「異性として、好き?」


異性としてって……。

恋愛対象ってことだ。これ。


「……っ」

なんて言えば……。


緊張して、心臓が暴れて、息が苦しくなる。

この空気、だめだ……。


「……な、わけないじゃんっ。何言ってんの、笹原。急に。びっくりしたじゃん」
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