Your smile once again
「……同じだよ」
「……っ、」


「俺だって、佐々木といると、こうなる。
佐々木と話すときも、佐々木が退屈してないかなって心配したり、緊張したりするよ。
佐々木が他の男と話してるの見るとイライラするし、そんな自分が情けなくて嫌になる。佐々木が嫌な奴なら……」


笹原は一旦言葉を切って、私の手を離した。

すると、私の片頬に暖かいものが触れた。

笹原の手だった。

いつもは冷たい笹原の手が、暖かくて。それが、私を切なくさせる。

「俺はもっと嫌な奴だ」

笹原がちょっと照れたように微笑む。

その笑顔に胸が締め付けられて痛くなってしまう。

でもその痛みは、さっきのような痛みじゃなくて……。


……多分今、顔真っ赤だ。

「なぁ、もう一回聞いていいか?」
「……え……」
「俺のこと、好き?」

私は考えた。

考えて、考えて、その質問の答えは出てこなかった。




「……わかんない……」


消え入りそうな声で、答える。

笹原の顔をまっすぐ見ることができない。
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