Your smile once again
「あっ、佐々木!」

駅に着くと、すでに笹原はいた。

「……はよ」

いざ笹原を目の前にすると、やはり落ち着かない。

「なんか、いつもと違う。可愛い」

そんな私の気苦労はどこへやら。
笹原は平気でそんなことを言う。

「……ありがと」
「じゃー行きますか」
「へ、どこに?」

ひみつー。イタズラする前の子供みたいに笑う笹原。そんな笹原に連れられて、電車に乗った。


ガタン……ゴトン……。

電車がリズムよく揺れる。その揺れが心地よくて、まぶたが重くなっていく。

そんな私を見かねた笹原が優しい声で言った。

「ねむい?」
「……ん」

すると笹原はふっ、と笑った。


「いーよ、寝てて。まだ結構かかるし、乗り換えないから」
「そうする……」


私は目を閉じ、笹原の肩に頭を預けた。
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