Your smile once again



「うわぁぁぁっ……」


隣に立つ佐々木が、歓声をあげた。

「水族館とか、小学校ぶりかも」


俺が連れてきたのは、海に隣接している水族館。佐々木って、意外なところで子供だ。

「あー……俺もだわ」



「……笹原?」


と、佐々木が俺の顔を覗き込んできた。俺はたじろいだ。


「なんか、元気ない」


……嗚呼、本当に。


何でわかってしまうんだろう。


佐々木のこういうとこ、すげー好きだ。


「んなことねーよ。心配かけて悪い」
「そう。ならいい」


あ、今ちょっと笑った。


「早く行こ」


……ダメだ。どんどん、好きになっていく。
今日。絶対に、好きだと伝えよう。
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