Your smile once again
笹原が私の顔を覗き込んで微笑んだ。


すごく優しい笑みだった。

「それが人間だろ?俺だって佐々木が好きだよ?」


そう、サラッと言うから私は土手を転がり落ちそうになった。

「な、な……っ!」
「うん?」
「何でもないです……」

笹原の無邪気な顔を見たら、何も言えなくなってしまった。

天然なのか。何なのか。

「まっ、佐々木が悩んでることはわかるぞ。葵だろ?」

「何で知ってんの……」

毎度毎度、笹原の情報網の広さには驚かされる。

「葵、見かけによらず積極的だもんなぁ!!」

「笑い事じゃないし!!別に、日向は良いけどさ。香澄達だよ」

「佐々木は、葵が原因で二人と離れることより、


騙してるような気分が嫌なんだろ?
 
二人に悪いって。

二人にうそつきたくないって。
 

でもそれってさ、それだけ相澤達が"好き"ってことじゃねぇの?」

「……よく分かんない」

「俺も自分で分かんなくなった」

なんて言って、頭をかいた。


「んー。

でも、分かんなくて良いんだよ。
多分」

「なにそれ」
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