Your smile once again
もう二度と、あんな思いはしたくない。そう願う自分と、笹原といて楽しいと思ってしまう自分。


「佐々木?」

その声で、はっと我に返る。

でも私は、笹原の顔を見ることができない。

きっと、全て見透かされてしまう。


「さーさーき」

笹原がしゃがみ込んだ。

それだけで、私の肩は揺れる。
今、心にあるのは、『恐怖』という感情だけだった。


「大丈夫か?」

笹原の手が私の頭に触れようとする。
私は思わず振り払った。


「……んないで」


戻ってこい、少し前までの、自分。


傷つきたくないなら、戻ってこい。


「え?」
「触んないでって言ったの」

笹原の瞳が揺れた。

「……ごめん」
「何言ってんだ、佐々木」



「もう、会わない。


話さない。

一緒に帰らない。

二度と」
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