Your smile once again
立ち上がった。足が震えている。


「バイバイ」
「ちょ、待てよ!佐々木!」


笹原が私の腕を掴んだ。


どくん。

また、心臓が波打つ。

「離して」


笹原を冷ややかに見つめて言い放った。

早く、早く。涙が出る前に。

震えが伝わってしまう。


「ささ、」
「離してって言ってるでしょ」


笹原が困惑の色を隠し切れていない。

私の凍った声に、笹原は手を離した。



すぐに背を向けて歩き出す。


これで、いい。

これで、いいの。


……嘘だ。


すごく、泣きそうなくせに。



本当は、ずっと、気付いてた。
気付かないフリをしていた。
なんでもっと早く、離れなかったんだろう。


手遅れになる前に。
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