Your smile once again
「おい!佐々木!」

大人しく見逃してくれるはずもなく、手首を掴まれる。


「……離して」
「ちゃんと、話したいんだけど」
「私は、話すことないから」

声が震える。

笹原の冷たい手が、大きい手が、
私を解放してくれない。

「佐々木っ!」


ダンッ‼︎

両肩を掴まれて壁に押し付けられる。


「……った」

衝撃で頭がくらっとした。
笹原のつま先に視線を落とす。


「こっち見ろよ!」
「笹原、痛……」


肩にかかる力が強い。
私は顔を歪めた。

離して欲しくて、笹原の顔を見上げた。

「……っ」


胸が締め付けられた。


悲しそうな、
傷ついたような、
焦ったような、顔。
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