Your smile once again
怜音が、私の頬を打ったのだ。

「何……」

頬を抑えて、戸惑う私。

「琴那は1人じゃない……。
1人じゃないよ!」

「怜音っ!」

怜音は、私のネクタイを掴み、引き寄せる。
香澄が慌てて止めた。

が、怜音はこうなるとどうにもならない。
それは、香澄も私も知っている。


「そんなの誰だって怖いよ。
でもっ、怖いって思うのはもう、笹原のこと大切にしてるってことじゃん!」
「……っ」


「琴那が見なきゃいけないのは、いつかくる『別れ』じゃない!」

周りにいた人は、私達を驚いた目で見ている。




「-----『今』でしょ?」
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