Your smile once again
数十分後。

うつむき加減で、笹原が入ってきた。


「……お疲れ」

私が声をかけると、笹原は顔をあげーーー



満面の笑みを浮かべた。


「勝ったぞ!」


見てたよ。

私がそう返すと笹原が何かを差し出してきた。

私は受け取った。



「誕生日おめでとう!

……勝ったら、すぐ渡そうと思ってて」


そうか、今日誕生日だったのか。


私は包みを開けた。

中には、ネックレスが入っていた。金色の大きな星と、銀色の小さい星が重なりあっている。


「ありがと。

……嬉しい。

じゃ、私もこれ」


笹原の誕生日は昨日だったのだ。笹原が受け取って開けた。水色のリストバンドだ。

大分悩んだ。


「サンキュー!欲しかったんだ」


笹原が嬉しそうに微笑んだ。

思わず、頬が緩む。


私の、すっごく小さな笑顔を見た笹原が満足そうに言った。



「それだけでも十分!」
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